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うつ病とはどういう病気ですか?うつ病(またはうつ病エピソード)は多くの要素が関係する脳の病気です。その背景には心理的なストレスだけでなく、体質、脳の性質、遺伝、ホルモン異常、身体疾患などが存在します。つまり、同じ「うつ病」でも人によって背景因子が異なります。診察では、まず症状だけで「うつ病」「うつ病エピソード」と診断し、その後に背景因子を探るという二段構えになっています。なお、双極性障害のうつ病を「双極うつ」「うつ病相」などと呼ぶこともあります。
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ここに書いてある治療法は、特定のクリニックだけの話ですか?いいえ、うつ病の一般的な治療法を記載しています。また、精神医療はグローバルです。日本だけでなく、世界全体でも、このサイトに記載した治療方法と同様のうつ病治療が行われています。
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薬で治療中ですが、うつ病が治りません。どうしたらいいですか?抗うつ薬の有効性は高いものの、抗うつ薬だけで治らない方もいらっしゃいます。その場合は、増強療法という追加の薬物療法を行ったり、修正型電気けいれん療法などの脳を直に刺激する治療を行います。 また、診断自体を見直す必要もあります。うつ病に似ている他の病気の場合は、治療法が異なります。 たとえば、双極性障害(双極性感情障害、双極症、躁うつ病)という病気は、うつ病と躁病(躁状態)を繰り返す病気ですが、躁病(躁状態)が軽い場合は、うつ病を繰り返すことだけが目立つ場合があります。双極性障害によりうつ病となっている場合は、抗うつ薬ではなく、抗精神病薬、炭酸リチウム、抗てんかん薬などの薬物療法を行います。抗うつ薬を使うと、かえって病状が悪化することもあります。
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薬を使ったら副作用が出ました。薬を中止すべきですか?抗うつ薬は投与初期に吐き気、下痢、眠気などの副作用が出ることが多いですが、ほとんどの方の場合、副作用は1週間以内に改善します。抗うつ薬は何週間も続けないと効果が出ないので、副作用が軽くて我慢できるなら継続した方が良いです。しかし、副作用が強い場合、長く続く場合は、他のタイプの抗うつ薬に変更したり、TMSや心理カウンセリングなど薬以外の治療法に切り替えることもできます。副作用が出た時は、まず主治医に相談して下さい。
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うつ病が良くなったら治療を中止して良いですか?うつ病は再発しやすいため、一度よくなった後は再発予防の治療を継続する方が良いです。これを維持療法と言います。抗うつ薬で治療して良くなった人は、維持療法でも、同じ抗うつ薬を同じ量で続けます。また、心理カウンセリング(認知行動療法など)にも再発予防効果があります。この維持療法の期間には個人差がありますが、概ね半年から1年が目安です。再発しやすい人は、数年以上の維持療法が必要になります。なお、うつ病の再発を繰り返す場合は、双極性障害の可能性もあるので、診断の再考が必要です。
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